ネコのお告げ☆
今日わが家の本棚からご紹介するのは、
『猫のお告げは樹の下で』(著者/青山 美智子 株式会社宝島社)
ありふれた町のなかにあるちいさな神社のおおきなタラヨウの樹。
そこにあらわれるハチワレネコの「ミクジ」。不思議と人間の言葉がわかっているみたいなミクジは、タラヨウの葉で「お告げ」をくれる。
そのお告げは、ミクジが伝えたい相手にしかみえない不思議なお告げ。
登場人物がことなる短編集にみえて、すべてのエピソードがゆるやかに繋がっています。
誰かの人生の横や後ろを、ちがう誰かが歩いている。
すれちがっただけの「誰か」にも、きっと人生がある。
読み終わったあと、そんな当たり前のことをとても新鮮に、強く感じました。
ちょっとさみしくなったり、共感したり、胸がキューッとなったりしながら、じんわりじんわりゆっくり読みました。
「どこにでもいるような、でも、本当はたったひとりしかいない私たち。」
夢みたいな奇跡が起きるんじゃなくて、それぞれが自分自身の人生とちゃんと向き合うことで変わっていく世界。
もしミクジに会えたら、いまのわたしにはどんなお告げをくれるのかなあ。どんな言葉をわたしは求めているのかなあ、なんて。
自分の生き方を、自分の歩く方向を決めるのは自分です。わかっているけれど、ミクジからその「きっかけ」をもらえた登場人物たちが、ちょっとだけうらやましいなあ。
なにをどうしたらいいのかわからないときに、ほんのちょっーっとだけ、ほんとにちょっとだけ背中をトンって。猫ちゃんのちいさなあったかいおててで押してもらえたらなあ。
青山美智子さんの本のなかで初めて手にした作品でしたが、大好きな宝物です。
調査で町を歩いていてみつけました。なんだかおとぼけぎみで可愛い。
う~ん、どこかでみたことがあるような、ないような笑。
やはり実際に町にでて調査するのは楽しいです。あたらしい発見は毎回ありますし、もしかして困っていらっしゃるかなあ、という方にいちはやく気が付ける大切な機会ですから。
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